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アルファベットの略語


この社会には、アルファベットの略語があふれている。普段使っているとわかるけれど、自分が声に出さない略号はわからない。つい検索をして調べてみる。「ああ、そうだった」とわかっても、しばらく経つと忘れてしまう。また検索をするという手間。


自分に大きく関係しない略号は、略されて時間短縮のように思えるが、かえって何度も検索していては、時間の無駄遣いになる。すぐそばにあるパソコンをPCと呼ぶことがある。よく使うのでPCは当たり前の略号になっている。


ところがPCのもともとの言葉を忘れてしまっている。パソコンとつながらなくて、パーソナルコンピューターにもつながらない。SNSもよく使うのに、自分の中でちゃんと消化できていなくて、ソーシャルネットワーキングサービスが聞いたことのない言葉になっている。


人によってDXの使い方が違う。DXをデジタルトランスフォーメーションと思って使っていると、話がかみ合わなくて、相手はDXをデラックスという意味で使っている。略号は狭い世界で使われている。


緊急時に遭遇して「AEDを探せ」と言われても、自動体外式除細動器とわからず、スマホでAEDを検索することになる。時間がないのに、全く時間の使い方を間違ってしまうことになる。普段から使っているとピンッとくるのに、お粗末な結果になってしまう。


USJへの道を聞こうと思ったのに、UHFと言ってしまって、たまたまそこにUHFアンテナがあって指をさして教えてもらう。聞いた相手が勘違いして道をたどっていくと、三菱UFJ銀行の前にたどり着いてしまった。


略号を自分で作ってしまう人もいて、KSKと言われても「結婚、して、ください」とは、北川景子にしかわからないDAIGOのプロポーズの言葉だ。個人が自由に情報発信できるようになっても、その情報を正しく受け取る人が必要だ。




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